【避難袋】緊急時に命と生活を守る為に

避難所等へ避難する際に時間がある場合や、予報等によって事前に火災までの予測可能場合、必ず用意しなければならないのが避難袋であり、呼び名は防災袋・防災非常袋・非常袋とあります。

避難袋は、発災時に判断が難しく、火災や倒壊など直ちに建物から離れなければならない突発事態に際して、すぐに手にとって持ち出すことを前提としています。
このため建物の出入り口付近に設置されることが多いです。

避難袋の形状は、手に持ったままの移動や両手が使えないなど不便であるため、背負って携帯できるようになっているリュック類などが主流で、ほかに必要最低限のウェストポーチや軽量で行動を妨げないバッグ類などになります。
火災や水害に遭遇してもすぐ燃えないよう不燃素材や防水性の製品もあります。

次に避難袋の中身を検討しましょう。
避難所で半日から一晩を過ごすための一次避難用品となります。
セット商品もありますが、可能な限り自分でそろえた方がいざというときに使用しやすいものです。
例として飲料水、非常食、衣類、軍手、タオル(大小)、医薬品(消毒薬、三角巾、マスク)、懐中電灯(手巻き式)、携帯電話・スマートフォン用の充電器とバッテリー、ロープ、ナイフ、ハサミ、筆記具(油性マジック)、ビニール袋、ビニールシートなど、これらは100円ショップでも簡単に購入可能なものです。
他に、携帯ラジオ、現金、お薬手帳、貴重品があります。
折り畳み椅子は体育館の冷たい床に長時間じかに座っていると体が疲れますので、そんなときに便利な避難用品となります。
紐は盗難対策や物資等を運ぶのにも使用できます。
また消臭スプレーやベビーパウダーは夏場には便利な避難用品となります。

これらはあくまで一時避難袋となり、防災備蓄品とは全く違ってきます。
一時避難袋はあくまで避難所に移動するまで、安全にたどり着き、補給が始まるまでの短時間を過ごすために必要なものが入っていればよく、大量の水や食料を入れる必要はありません。
一方で備蓄品は、電気・ガスなどのインフラが途絶えた状況で、何らかのサポートがあるまでの1週間程度を過ごすためのものとなります。
特に建物に被害がなくてもライフラインが停止するであろう集合住宅上層階では、一週間分の簡易トイレ、水と飲料、調理用の簡易コンロとガスボンベは必須です。

熊本地震の死者数は200人以上で、そのうち直接死は50人。
それ以外の震災関連死が3倍の150人を超えています。
これは災害による負傷の悪化、または避難生活等における身体的負担によって亡くなった方です。
直接的な被害に遭わなかったとしても、十分に健康に注意しておかないとならない、という教訓を忘れてはなりません。
つまり自宅での在宅避難を送れるような備蓄が必要になってきます。

緊急時の命を守る「避難袋」と発災後の生活を守る「避難袋」。
可能な限り二つの袋を分けておきたいものです。