今は家庭の全エネルギー消費の半分近くが給湯用に使用されているといわれています。給湯用エネルギー需要は昨今の清潔志向、猛暑、におい対策棟によって年々増加傾向にあります。以前は中高生から20代の消費が多いのが特徴でしたが、今では、年齢に関係なく頻繁にシャワーを出しっぱなしにするという方も少なくありません。

賃貸住宅ではガスや電気等で給湯することが多く、再生可能エネルギーである太陽熱を利用した給湯システムが設置されているところは多くありません。以前の太陽熱利用温水システムは水を屋根に上げてその水を直接太陽熱で温めるという仕組みでしたが、現在は屋根には集熱パネル(約40kg)だけを上げ、地上に貯湯タンクを設けて、そのタンク内で熱交換するのが一般的です。
屋根に水をあげないため、屋根にかかる荷重が軽減され、貯湯タンクがあるため、災害時等の場合は水の確保としても有効です。循環ポンプ用の電力が必要となりますが、太陽熱温水器専用の水栓を設置する必要がなく、混合水栓に直結できます。
単身者が多い賃貸住宅では、太陽熱利用給湯システムとガス等の加温システムを組み合わせた給湯システムを設置されると、エネルギーの低減に効果的です。
関東以南の場合は冬季でも太陽熱で40°C程度のお湯が期待できますし、夏季は60°C以上となりこれに水を混ぜて40°Cでしようとすれば、夏はより多くの給湯量が利用できることになり、朝、帰宅後、就寝前等、汗をかいたときに光熱費を気にせずシャワーを浴びることができるようになり、入居者にとってはとても魅力的です。
※全国賃貸住宅新聞より引用