最新データから見るニーズの高い設備とは?

週間全国賃貸住宅新聞が管理業者・仲介業者365社にヒアリングして、毎年発表している「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まるTOP10」。
最新版である2019年調査から、人気の設備と傾向を見ていきましょう。
やはり最もニーズが高いのが「インターネット無料」。
単身者向けもファミリー向けも4年以上連続で1位を取っています。
インターネット環境はもはや、電気や水道と同じレベルのインフラであると言えるでしょう。
エントランスのオートロックは、単身者向けで2位、ファミリー向けで3位とこちらも長く上位に入っており、セキュリティの高さと高級感が求められていることがわかります。
セキュリティに関しては、ホームセキュリティが単身者で5位、ファミリー向けで4位とそれぞれランクアップしています。
宅配ボックスに関しては、昨年までトップレベルのニーズを持っていましたが、普及が加速した影響もあり、順位を少し落としています。
それでも人気の設備であることに変わりありません。

今回新たに、単身者向け、ファミリー向け双方にトップ10入りした設備が、24時間利用可能ゴミ置場です。
生活リズムに合わせて、自由にゴミ出しができるメリットを感じる入居者が多くなっていることが予測できます。
また浴室換気乾燥機も単身者向け、ファミリー向け問わず人気が上昇している設備です。
花粉症の季節に外に洗濯物を干したくないという要望はかなり多くなっているようです。
このように年々変化している、入居者の設備へのニーズですが、以前はトップ10の常連だった洗浄器付きトイレや防犯カメラ、TV付きインターフォンなどは、比較的安価で普及が早く行き届いたため、もはや当たり前に近い設備となり、10位以下になっていると考えられます。

コロナ禍で賃貸住宅ニーズに変化はあるのか?

コロナ禍の影響で、注目されているのがテレワークです。
以前から働き方改革で注目されていましたが、新型コロナの影響で国が推進し、テレワークが一気に浸透しました。
厚生労働省の「第3回 新型コロナ対策のための全国調査」によると、オフィスワーク中心(事務・企画・開発など)の方におけるテレワークの実施率は全国平均で約27%、最も多い東京都で約52%でした。
今後の動向については、公益財団法人日本生産性本部の調査で、「コロナ禍収束後もテレワークを行いたいか」という質問に対して、62.7%が続けたいと考えています。
しかし、自宅で仕事をするためには、いくつかの課題が見えています。
一つはテレビ会議などでインターネット接続の通信量が足りないという意見が多く出ていること。
インターネット無料の賃貸住宅にはニーズがありますが、今後はその通信量も考える必要があります。

※全宅管理2020秋号VOL.33より引用