リフォームは相続対策になる

相続税対策の1つとして、家屋をリフォームするという方法があります。
リフォーム代金を支払うことで、まず現金という相続財産が減少します。
リフォーム後は、建物の資産価値は上がりますが、家屋の固定資産税評価額が変わらない、こうしたケースを想定した相続税対策です。
家屋の相続税評価額は、自宅の場合は、固定資産税評価額です。
また、借家の場合は、『固定資産税評価額X(1-0.3)』で計算されます。
つまり、家屋の評価額は、固定資産税評価額をもとに計算されるということです。
増改築やリフォームにより、固定資産税に影響があるのは、建物の種類、構造または床面積に変更があった場合です。
建物の維持や補修程度のリフォームについては、固定資産税評価額が増額されることはありません。
したがって、家屋の相続税評価にも影響を及ぼさない、ということですので、生前に維持補修程度のリフォームを行うことが、相続税の節税対策になるのです。

大規模リフォームをした場合は?

ただし、間取りに変更を加え、柱や基礎以外の部分をすべて新品に取り換えた場合などは、固定資産税評価額が増加する可能性があります。
しかし、増改築などのリフォームがあった場合でも、家屋調査がされない場合には、固定資産税評価額の改定がされないこともあります。
大規模リフォームの場合は、固定資産税評価額が改定されるケースがほとんどと思われますが、改定されていない場合の評価額はどうなるのでしょうか?
課税時期における家屋の固定資産税評価額が、その家屋の現状に応じた見直しがされていない、という場合ですが、このような場合には、リフォーム前の固定資産税評価額で評価することはできません。
固定資産税評価額の改定がされていないことを理由として、改定前の評価額で評価することはできないことになっているのです。

大規模リフォームは最低30%減

このような大規模リフォームとは、バリアフリー仕様への変更や、耐震改修工事等をイメージしていただければと思います。
この場合の建物の評価は、下記のように行います。
①リフォーム部分以外に対応する固定資産税評価額
②(増改築等に係る部分の再建築価格ー課税時期までの償却費相当額)X70%相当額
上記の①②の合計額を評価額とします。
なお、相続税の申告期限までに、改定後の固定資産税評価額が付された場合は、その固定資産税評価額にもとづく評価をして問題ありません。
大規模リフォームに係る部分について、最低でも30%の減額になりますので、相続税の節税効果があります。
相続税対策の1つの方法として紹介をいたします。
なお実務上は、判断に迷うところもでてくると思いますので、事前に専門家に相談されることをお勧めいたします。