【売買】福岡の自社開発マンションを売却、ウエムラグループ
不動産賃貸管理業などを手がけるハッピーハウス(本社:福岡市)は2024年10月、福岡市南区向野1丁目の賃貸マンション、フルハウス高宮を売却した。
買い主はPAGインベストメント・マネジメントのSPCである特定目的会社イースト・マウンテンだ。
フルハウス高宮は西鉄天神大牟田線高宮駅から徒歩10分の住宅街にある。
地上7階建、延べ床面積2924㎡の規模で、1LDKの68戸を有する。
ハッピーハウスが開発を手がけ、2024年10月の竣工直後に引き渡した。
ハッピーハウスは、地元デベロッパーの上村建設(本社:福岡市)を中核企業とするウエムラグループ傘下の企業だ。
同グループは用地の取得から開発、リーシング、売却、賃貸管理まで一貫して行えることを強みとしている。
今後もファンドやREIT向けに賃貸マンションを開発・売却する事業に力を入れていく方針だ。
【売買の概要】
名称 | フルハウス高宮 |
---|---|
買い主 | 特定目的会社イースト・マウンテン(PAGインベスト・マネジメントのSPC) |
売り主 | ハッピーハウス |
所在地 | 福岡市南区向野1-19-8(住居表示)、1-238-2ほか(地番) |
最寄り駅 | 西鉄天神大牟田線高宮駅徒歩10分 |
面積 | 土地1220.87㎡、延べ床2924.31㎡ |
構造 | RC造 |
階数 | 地上7階建て |
用途 | 住宅 |
戸数 | 68 |
用途地域 | 準住居 |
容積率 | 200%(法定) |
竣工 | 2024年 |
取引時期 | 2024年10月(引渡) |
取引形態 | 信託受益権(みずほ信託銀行) |
【最新号から】福岡・天神でオフィス最高賃料を更新、周辺部でも100億円超の大型取引
オフィスビルの大型再開発が相次ぐ福岡市中心部。
2024年は新規供給が過去の平均を大幅に上回るなか、福岡エリアにおけるオフィス賃料の最高額を塗り替えるビルが現れた。
「天神ビッグバン」の目玉の一つとして竣工を迎えるワン・フクオカ・ビルディングだ。
中心部では売り物件が不足し、投資エリアは周辺部に拡大。
100億円を超える大型取引が続いている。
九州最大の繁華街である天神地区。
その中心に位置する天神交差点の角で、地上19階地下4階建て、延べ床面積約14万7000㎡の大型複合ビルの工事が最終段階を迎えている。
2024年末に竣工予定のワン・フクオカ・ビルディング(ワンビル)だ。
基準階床面積約1400坪の広さを誇る8階〜17階のオフィスフロアには、事業主である西日本鉄道の本社ほか、九電工やみずほグループなどが入居する。
すでに6割程度のオフィス床でテナントが決まっているもようだ。
これ以上ない立地ということもあり、成約賃料は共益費込みで坪3万2000円、
東隣の街区で2021年に竣工した天神ビジネスセンターの3万円を上回り、福岡エリアにおけるオフィス賃料の最高額を更新した。
福岡市は高さ制限や容積率の緩和などによって天神地区の再開発を促す「天神ビッグバン」を2015年から、博多駅周辺でも同様の「博多コネクティッド」を2019年から展開している。
これらの施策が追い風となり、既存ビルの建て替えが急ピッチで進む。
2024年にはワンビルのほか、ヒューリックスクエア福岡天神や九州旅客鉄道(JR九州)などが博多駅の東側で開発したコネクトスクエア博多などが次々と竣工。
市中心部で約2万6000坪のオフィス床が新たに誕生する。
オフィスの新規供給が年平均1万坪程度だった過去10年間の水準を大きく上回る。
大量供給にもかかわらず、2024年の賃貸オフィス市況は堅調に推移している。
半導体をはじめとする製造業の大型投資が九州で相次いでいるのに加え、企業立地に対する福岡市の助成や税優遇、再開発に伴って解体される既存ビルからの移転需要などが背景にある。
三鬼商事によると2024年11月時点の空室率は4.77%となり、4カ月連続で低下した。
CBREの調査でも2024年9月時点の空室率は3.8%となり、4四半期連続で低下。
想定成約賃料も上昇傾向が続いている。
複数の取材先から得た情報をまとめると、新築大型オフィスビルの成約賃料は天神地区で2万7000円〜2万8000円程度、博多駅周辺で2万〜2万3000円程度だ。
とはいえ、今後は市況の落ち込みを懸念する向きもある。
2025年には天神住友生命FJビジネスセンターや天神ブリッククロスなどが竣工し、約1万8000坪のオフィス供給が見込まれる。
2026年には天神1-7計画や天神ビジネスセンター2期計画、Walkプロジェクトなどが竣工し、約2万4000坪が供給される。
CBREは2025年から2026年にかけて空室率が9%程度まで上昇し、成約賃料は下落すると予測する。
ただし、「賃料の大幅な落ち込みには至らない」と同社福岡支店の大野洋照支店長はみる。
既存ビルはほとんど空室のない状態が続いており、新築ビルの竣工によって多少の空室が発生しても、オフィス需要が旺盛な現状を考えれば、市場全体の賃料を大きく下げる要因にはならないと考えているからだ。
【開発】福岡・糸島に3000億円のデータセンター、APLグループ
アジア・パシフィック・ランド(APL)グループは、福岡県糸島市に大規模データセンターを建設する。
2025年春に着工し、投資額は3000億円を見込む。
総受電容量は300MWで、九州最大規模とみられる。
建設予定地は西九州自動車道の前原インターチェンジ(IC)から約0.4km、JR筑前前原駅からは約3km、地域未来投資促進法に基づく糸島市土地利用調整計画(多久・富地区)域内にある。
糸島市の計画書によれば、敷地面積は12万2164㎡となっている。
APLは6棟からなるデータセンターを建設する。
直接の事業主は同社のSPCである糸島デジタルインフラパーク特定目的会社。
各棟の階数や延べ床面積などの詳細は未定としている。
同社は竣工時期も明らかにしていないが、2029年から2034年にかけて順次竣工するとの報道がある。
APLは2023年11月にも、1号案として北九州市にある北九州学術研究都市の市有地を取得し、総受電容量120MWのデータセンターを建設すると表明していた。
今回の糸島市のデータセンターはこれに続くものだ。
【開発の概要】
開発名 | 糸島デジタルインフラパーク(仮称) |
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所在地 | 福岡県糸島市多久395-1ほか(地番) |
最寄り駅 | JR筑前前原駅約3km |
最寄りIC | 西九州自動車道前原IC約0.4km |
面積 | 土地12万2164.35㎡ |
構造 | 未定 |
階数 | 未定 |
用途 | データセンター |
用途地域 | 地域未来投資促進法に基づく土地利用調整区域 |
事業主 | 糸島デジタルインフラパーク特定目的会社(APLのSPC) |
設計者 | 未定 |
施工者 | 未定 |
工期 | 2025年春(着工) |
事業費 | 3000億円 |
受電容量 | 300MW |