災害時には今までにないストレスが発生します

1995年の阪神・淡路大震災以降、2004年新潟県中越地震、07年同中越沖地震、11年東日本大震災、同年長野県北部地震、紀伊半島大水害、14年広島県土砂災害、16年熊本県地震、といずれの災害においても各自治体の認定に違いはあるものの災害関連死が認定されました。
避難所に入れない、つらい、プライバシーがある等の理由で車中泊した被災者が長時間同じ姿勢をとり、下肢にできた血栓が肺動脈で詰まり、いわゆるエコノミークラス症候群が多発し、残念なことに死者も出てしまいました。しかも高齢者だけではありませんでした。
海外の避難所では、簡易ベッドの使用が進み「1人あたり3.5平方メートル(畳2枚分)の空間」「トイレを20人に1基、男女比1対3で設置」など、災害時に人道的に過ごすための国際的な「スフィア基準」が取り入れられています。
残念ながら、日本の現状は、冷たく硬い雑魚寝で過ごす避難所生活がほとんどです。「ストップ・ザ・雑魚寝、避難所の二次災害ゼロを目指して」という趣旨のもとに避難所の環境を良くしていこうという呼びかけをする団体もあり、避難所運営に携わる自治体や企業にも参加を呼びかけて抜本的な改善を求めています。そこでは、避難所生活の問題点を洗い出し、より過ごしやすいものに改善させ、特に重要となるトイレ、キッチン、ベッドを重要視しています。
また、下記の予防策を提唱している医学系の団体があります。①睡眠の改善、②1日20分以上の歩行、③水分の十分な摂取による血栓予防、④良質な食事・減塩に努め、カリウムの多い食事を多くとる、⑤震災前からの体重の増減はプラスマイナス2キロ以内、⑥マスクの着用、手洗いの励行など感染症の予防、⑦降圧薬ほか、循環器疾患の内服の継続、⑧血圧の管理、⑨禁煙、となります。