【売買】長崎のマンション2物件を取得、福岡リート出資のSPC

福岡リート投資法人などが出資するSPCは11月4日、長崎市にあるアーバス筑後町(ちくごちょう)とアーバス金屋町(かなやまち)を取得する。
価格は合わせて22億1000万円。
いずれもNIPPOが開発した賃貸マンションで、2024年3月から不動産会社のフォービス(長崎市)が所有している。
アーバス筑後町は、長崎電気軌道(路面電車)の長崎駅前停留場または桜町停留場から徒歩4分の場所にある。
地上13階建て、延べ床面積3361㎡の規模で、11年に竣工した。
ワンルーム〜2LDKの84戸から成り、幅広い層からの需要を見込む。
鑑定評価上のNOIは6898万円。
取得価格は13億3000万円で、NOI 利回りは5.2%になる。
一方、桜町停留場から徒歩2分のアーバス金屋町は、地上13階建て、延べ床面積2371㎡の規模。
08年に竣工した。
単身者、DINKS向けに1Kと2DKの72戸で構成されている。
鑑定NOIは4711万円で、取得価格である8億8000万円に対する利回りは5.4%だ。
SPCは取得にあたり、ノンリコースローンで16億9700万円を調達。
匿名組合出資など出資総額は7億8300万円で、投資法人はこのうち20.6%に当たる1億6100万円を出資するとともに、将来の物件取得に向けた優先交渉権を得る予定だ。


アーバス筑後町

アーバス金屋町

【売買の概要】

名称 アーバス筑後町
買い主 合同会社FRC2(福岡リート投資法人などが出資するSPC)
価格 13億3000万円
所在地 長崎市筑後町4-1(住居表示・地番)
最寄り駅 長崎電気軌道長崎駅前停留場または桜町停留場 各徒歩4分
面積 土地675.02㎡、延べ床3361.59㎡、賃貸可能床3293.88㎡
構造 RC造
階数 地上13階建て
用途 住宅
戸数 84
用途地域 商業
容積率 500%(法定)
竣工 2011年
取引時期 2025年11月(引渡)
取引形態 信託受益権(受託者:SMBC信託銀行)
利回り 5.2%(鑑定NOI/価格)
名称 アーバス金屋町
買い主 合同会社FRC2(福岡リート投資法人などが出資するSPC)
価格 8億8000万円
所在地 長崎市金屋町9-26(住居表示)、9-7(地番)
最寄り駅 長崎電気軌道桜町停留場 徒歩2分
面積 土地478.60㎡、延べ床2371.02㎡、賃貸可能床2266.32㎡
構造 RC造
階数 地上13階建て
用途 住宅
戸数 72
用途地域 商業
容積率 500%(法定)
竣工 2008年
取引時期 2025年11月(引渡)
取引形態 信託受益権(受託者:SMBC信託銀行)
利回り 5.4%(鑑定NOI/価格)

【開発】朝霞と鳥栖に物流施設、シーアールイー

シーアールイーは、埼玉県朝霞市と佐賀県鳥栖市で物流施設の建設を開始した。
朝霞市では、延べ床面積10万4588㎡のロジスクエア朝霞Aを単独で開発する。
竣工は2027年5月を目指す。
鳥栖市では、延べ床面積3万6575㎡のロジスクエア鳥栖IIを福岡地所(福岡市)と共同で開発する。
26年9月に竣工予定だ。
ロジスクエア朝霞Aの開発地は外環道の和光北インターチェンジ(IC)から約1km、あずま南地区土地区画整理事業施行地区内にある。
和光富士見バイパス(国道254号)から近い。
シーアールイーは同土地区画整理事業の業務代行者に名を連ねている。
開発するのは地上4階建てで、最大12テナントが入居可能なマルチテナント型施設。
ランプウエー2基を備え、1〜3階の各階にトラックバースを設ける。
3〜4階間の搬送は荷物用エレベーターと垂直搬送機を2基ずつ追加できる仕様になっている。
シーアールイーはロジスクエア朝霞Aの隣地に、ロジスクエア朝霞Bも開発する計画だ。
26年8月に着工し、28年2月の竣工を予定している。
朝霞Aと朝霞Bを合わせた総延べ床面積は16万㎡超を見込む。
ロジスクエア鳥栖IIの開発地は九州自動車道の小郡鳥栖南スマートICから約2km、長崎自動車道の鳥栖ICからは約5km、鳥栖商工団地内にある。
両自動車道が交わる鳥栖ジャンクション(JCT)に近い。
JR貨物の鳥栖貨物ターミナル駅から約2km、JR鳥栖駅からは徒歩9分だ。
以前はGLP鳥栖IIIが立っていたが、25年8月までに解体されている。
開発する建物は地上2階建て。
1階に両面トラックバースを備え、荷物用エレベーターと垂直搬送機を4基ずつ設ける。
テナントの希望などに応じて、2層にまたがるソーターを設置するための開口部を床に設けたり、垂直搬送機やドックレベラーを増設したりできる構造となっている。

【売買の概要】

開発名 ロジスクエア朝霞A
所在地 埼玉県朝霞市台308ほか(地番)(あずま南地区土地区画整理事業施行地区内)
最寄りIC 外環道和光北IC約1km
面積 土地4万2596.39㎡、延べ床10万4588.93㎡
構造 RC・S造
階数 地上4階建て
用途 物流施設
用途地域 工業
容積率 200%(法定)
事業主 シーアールイー
設計者 前田建設工業
施工者 前田・研屋特定建設工事共同企業体
工期 2025年10月〜2027年5月
環境認証 BELS、CASBEE-建築(新築)
開発名 ロジスクエア鳥栖II
所在地 佐賀県鳥栖市藤木町1-2(住居表示・地番)(鳥栖商工団地内)
最寄りIC 九州自動車道小郡鳥栖南スマートIC約2km
面積 土地2万6187.51㎡、延べ床3万6575.50㎡
構造 S造
階数 地上2階建て
用途 物流施設
用途地域 準工業
容積率 200%(法定)
事業主 シーアールイー、福岡地所
設計者 東洋建設
施工者 東洋建設
工期 2025年10月〜2026年9月
環境認証 BELS、CASBEE-建築(新築)

【調査】九州の工業地で高い地価上昇率、大和不動産鑑定

九州地方は、住宅地、商業地、工業地の全ての用途で上昇率が鈍化したものの、上昇傾向は続いている。
福岡市でも同様の傾向だが、2013年より13年連続して全ての用途で地価上昇が続いている。
工業地(全国)の上昇率上位10位のうち8地点を九州地方が占めており、4地点が熊本県、2地点が佐賀県、2地点が福岡県だ。
全て20%以上の高い上昇率となった。
熊本県菊陽町へのTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)進出により、大津町、菊池市など周辺地でも工業用地需要が旺盛となっている。
また、福岡圏の物流市場は拡大傾向にあり、鳥栖インターチェンジ(IC)周辺の佐賀県の基山町や鳥栖市、福岡ICへの利便性の良好な新宮町、須恵町などでは物流施設の需要が堅調で、高い上昇率となった。

※日経不動産マーケット情報より引用