省エネ窓に補助金

「先進的窓リノベ事業」。
国が省エネルギーを促進する取り組みの中の一つで、窓の断熱性を向上させるリフォームを行い住宅の省エネを図る事業だが、当社が集計した調査によると、入居者ニーズにも適った事業のようだ。
今回の調査は、直近半年〜5年以内に現在の賃貸住宅に住み始めた1236人の賃貸住宅入居者を対象に、2023年4月に実施したものだ。
まず、現在の住まいに内窓を設置してほしいか聞いたところ、「設置してほしい」「どちらかといえば設置してほしい」と答えた人が合わせて80%を超えた。
住宅において室温への影響が大きいのは何かと聞いた質問でも「窓」と答えた人が50%を超えており、認知度の高さでもニーズの高さでも補助事業の意図と合致している。
地域別での内窓設置ニーズを見ると、設置意向は総じて高く、中越北陸、北海道、道北などの寒い地域は特に意向が高かった。


断熱向上に需要

断熱性の向上は長期優良住宅に対するメリットを聞いた質問でも高い。
家賃が1割上がっても魅力的だと思う回答の上位4項目のうち、3項目が断熱性や省エネ性に関するものだった。
具体的には光熱費の削減、結露やカビ防止、室内の温度差緩和が支持された。
先進的窓リノベ事業は補助額、補助率共に過去最大規模だが、確保している予算は1000億円を使い切ったら補助打ち止めとなっている。
23年7月7日時点での補助金申請額の割合は39%。
注意点として、補助金は窓の施工がされないと交付されないため、設置工事を行う工務店などと相談のうえ、設置検討するのがいいだろう。


LPガス料金、不透明性を是正
経済産業省 無関係な設備費の上乗せ禁止

経済産業省は、液化石油(LP)ガスの利用料金に、ガスの利用に関係のない設備費を計上することを禁止する。
同内容を規定する「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」について、二つの省令を順次改正し、それぞれ2024年度、27年度からの施行を目指す。
改正法には、罰則規定も設ける。
経産省は、7月24日に開催した分科会で、同方針を定めた。
LPガス事業者が賃貸住宅のオーナーに対し、エアコンやインターホンなどの設備を無償で貸与し、ガスの導入契約を行う営業行為が商慣行となっていた。
これらの設備費は、入居者であるLPガスの消費者が、月額の利用料金として支払っていた実態がある。
こういった商慣行の是正を目的に、LPガス事業者を取り締まる。
ポイントは大きく2点だ。
一つ目に、設備の無償貸与といった営業行為を制限すること。
二つ目は、三部料金制といって、基本料金・使用量に準ずる従量料金・設備料金に分け、設備料金を別途明記して提示。
算定根拠として、消費者に請求時に通知することだ。
違反行為に対しては、30万円以下の罰金といった罰則規定を設ける。
加えてLPガス事業者には、入居希望者が賃貸契約を結ぶ際に、不動産会社を通じてガス料金を提示する努力義務を課すとした。
今回、オーナーや管理会社は罰則規定の対象ではない。
ただ、LPガス事業者に対し、過大な営業行為を助長するなど、コンプライアンス上の求められる行為の範囲に影響があるとみられる。

※全国賃貸住宅新聞より引用