バールやノコギリなど共助の観点で準備
自助・共助・公助の観点から考えると、防災備蓄品は各家庭、個人にて用意するのが万全なのですが、もし用意しても保管の問題や安全面等からは個人の備蓄では困難であり、共助の観点からの備蓄品が「資機材」となります。
その一例を安全面の観点から使用例とともに列挙いたします。
バールは閉じ込め等のドアの開閉に、ノコギリ、チェンソーは植栽等が倒木した際や屋根が落ちたときに、鉄シャベルは土砂の撤去、また雪かき用のシャベルも時期によっては必要不可欠となります。油圧ジャッキがあれば下敷きになった場合の危険状態からの脱出が容易になるかもしれません。そういう意味では木づち(かけや)や金づちの大ハンマーもあると良いでしょう。またロープはさまざまな場面や用途にて活用されるので、特にいろいろな種類のものを備蓄しておきたいものです。はしごもわりとどこにでもありますが資機材の一つです。その後の手当としては、担架は欲しい資機材の一つです。
ここで注意しておきたい点があります。担架は非常階段を曲がれない場合もありますので、実地テストなり避難訓練をしておきたいものです。また階段で負傷者を担架に乗せて運ぶのはとても困難という点もあります。担架の代用の知識があれば簡易的に運べる場合もあります。それでも担架は平地での利用で必要性が高い資機材です。
次に手当てに必要不可欠なのが救急箱(救急セット)です。入居者の人数の割合によって用意したいものですが、入居者全員の人数を把握できる人や法人は極々限られています。まずは少しでも良いので設置しておきたいものです。ただし使用期限に関しては管理が必要となります。
「立ち入り禁止」「危険」「近寄るな」等の看板も事前に用意しておく共助としての資機材です。わざわざ購入しなくてもパソコンで作成してパウチしておけば大丈夫です。いざというときに作成は不可能ですからぜひ事前に用意しましょう。
非常時の照明としてはよく工事現場で見かける「バルーン投光機」と「発電機」がセットであると良いでしょう。停電の想定下では夜間の安全と作業、そしてなにより安らぎを「光」は与えてくれます。また発電機の電源は「灯油」や「カセットボンベ」(カセットコンロにも使用可)などが非常時に役立ちます。
また災害時の物資不足を見据え「大型炊き出し器」があると良いです。ただし普段から防災訓練等で炊き出し訓練をして使用慣れしておきたいものです。
最後に重要な資機材が「トイレ」です。もちろん各個人が備蓄として簡易トイレを用意はしますが、それ以外に「組立型マンホールトイレ」「仮設型トイレ」があると万全です。
その他にも備蓄としての資機材は多々ありますが、いずれにしろその地域の特性を踏まえ、場所と時期と被害を想定しつつ優先順位と予算を考慮しての用意が重要となります。