防犯の観点からの防火に大切なこと。

火は天災として火事が防災の観点、人災として放火は防犯の観点となります。
防災防犯の両側面から考えなくてはならないのが「火」となります。

防災の観点からの防火は火災の発生および拡大を防止することであり、火災は、可燃物、酸素および着火源の3条件がそろった場合に発生します。

通常大気中では酸素の遮断による防火はむずかしく物体の不燃化と火気の管理が主体となります。建物などでは不燃材料を用いた防火構造または耐火構造となり、着火源の管理をきびしく危険の多い場所は火気禁止区域とするなど、火の用心を徹底します。万一出火したときは早期にこれを発見して消火し、火災の拡大を防止するために火災報知機、消化器、消防設備、消火用水、防火壁などの設備を設けます。定期的に防火訓練を実施し、防火対象物の種類、規模などに応じた防火対策が必要となります。これらは消防法(昭和23年法律186号)およびその関連法令で規定されています。

防災の観点からの防火のための重要な柱

防災の観点からの防火では、火災の管理を行って火災にならないようにする「火災予防」、火事になってもその拡大を防いで火を消す「消火」、外部で発生した火災の燃え移りを防ぐ「類焼防止」が重要な柱となります。どんなに注意を払っていても火事になる場合もあり、その際はいかに初期消化をするかが重要であり、類焼防止は平常時から注意しておきたいものです。

防犯の観点からの防火は特に火災予防が大切となります。

残念なことに出火原因の1位は「放課」もしくは「放火の疑い」であり、2位の「たばこ」、3位の「コンロ」が原因で発生した件数を合計しても放火より少ないという結果です。そのため放火をされてしまう「機会」や「場所」を与えてはなりません。放火は人通りの少ない時間帯や、人目の届かない場所で多く発生しています。対策としては燃焼物を安易にエントランスや自転車置き場等の家の周りに決しておかない、ゴミ置き場ではゴミは決められた日の決められた時間に出すといういずれも簡単で常識的なことが重要です。また防犯センサーや防犯カメラの設置はやはり有効な抑止力の手段となり得ます。常日頃から「放火されない、放火させない環境づくり」に努めましょう。