40年ほど前に集合住宅のエントランスにおいて、居住者と非居住者との区別のためや従来の集合住宅との差別化からオートロックが導入され始めました。
その後オートロックは徐々に一般化していき必需品化していきました。
これに伴いオートロックという言葉からくる「鍵=防犯=安全」という考えが居住者にも浸透していくようになり、中には平気で施錠せずに外出する居住者が現在でもいるようです。

オートロックを簡単に突破してしまう手口

ここでオートロックを簡単に突破してしまう手口を紹介しておきます。一番多いのは俗にいう「共連れ」となります。誰かがロックを解錠したときに一緒に侵入する方法です。外から後をつけていき一緒に侵入し犯罪に至る手口や、入居者が出て来たときを見計らい、いかにも住人で帰って来たそぶりで侵入する手口です。そんな点を踏まえて最近では人数を限定するオートロックもあるようです。次に暗証番号を何らかの方法で知り侵入する方法です。集合住宅によっては立ち合いができない場合、エレベーター点検や排水管清掃や火災報知器の点検や電気水道の検針等の専門業者に教えている場合があります。入居者以外が集合住宅に正式に立ち入ることも知っておきましょう。
次にオートロックで左右に開く自動ドアの間に隙間がある場合、紙・下敷き等を投げ込んで隙間上部のセンサーを反応させて開けるという単純な手口もあります。また、以前の入居者が鍵を返却していない場合や、合鍵を作製していてそれを利用しての侵入手口もあります。他にはエントランス以外の場所からの侵入手口です。非常口等は割と裏側の目立たない場所が多いものですし、身軽であれば乗り越えられる高さだったりします。
この様に集合住宅内の侵入手口は多くあり、オートロックは絶対的な鍵ではないと認識しなくてはなりません。もし犯罪者がオートロック内に侵入してしまうと大変危険であり、外からは分からず全戸が被害にあう場合も想定しておきたいものです。

入居者に適した形態のオートロック

また、オートロックと言っても入居者に適した形態があります。通常普及率の一番多いのが自動ドア式になり左右に開く二枚式や片方のみに開く一枚式もあります。入居者に家族世帯が多い物件や戸数の多い物件向きとなります。それ以外に一枚引き戸において解錠式のオートロックもあります。こちらは単身者や女性単身者向きとなります。この入り口だと自然と共連れは難しくなります。
また、オートロックの解錠の仕方も従来の鍵を差し込む方式から、最近多いノンタッチキー式や暗証番号を利用したスマートフォン式までさまざまに進化してきています。進化と共に防犯面も高まっていることは確かです。

過信せず施錠等セキュリティ面の向上を

オートロックは鍵ではなく「設備」だという認識はまだまだかもしれません。オートロックに過信すること無くしっかりと施錠等のセキュリティ面の向上を行って行かなければなりません。