首輪に名前と連絡先を必ず明記

一戸建てはペットも飼える、でも集合住宅はペットが飼えない、もしくは飼いにくい。これが住宅の一般常識なのかもしれません。最近の新築分譲マンションは大概一頭のペット可にて売り出されています。それを受けて既存の分譲マンションでも管理組合が動いてペット可となりつつあります。賃貸においても決して見過ごすわけには行かなくなりつつあります。
ペットと防災のことを理解する前に、現状のペット状況を基本的に知る必要があります。犬と猫だけに限りますが、現在犬が約1,000万頭、猫も約1,000万頭弱といわれており、日本の人口1億3,000万人弱として約16%の人がペットと関わっています。日本の15歳未満の子供が1,600万人なので、子供のいる家庭よりもペットを飼育する家庭の方が多い現実があります。また徐々にですがペットが「物」から「生命」つまり「家族としてのパートナー」に変化しつつあるようです。
環境省が出している災害時におけるペット救護対策ガイドラインにおいて、飼い主が行うべき対策の例として以下が挙げられています。行政としてもある意味踏み込んでいるのではないでしょうか。
1:平常時は住まいの防犯対策
2:ペットのしつけと健康管理
3:ペットが迷子にならないための対策(マイクロチップ等による所有者明示)
4:ペット用の避難用品や備蓄品の確保
5:避難所や避難ルートの確認等の準備
6:災害時は人とペットの安全確保
7:ペットとの同行避難
8:避難所・仮設住宅におけるペットの飼育マナーの遵守と健康管理
となっています。
実際に東日本大震災から5年が経過し熊本地震が発生しました。地震に驚き逃げ出してしまったペットも多くいるそうです。また熊本市動物愛護センターには迷子犬猫の問い合わせが殺到したそうです。そんなペット捜索情報がWeb上に相当数飛び交っていました。FacebookやTwitterは捜索方法としてたいへん有効な手段となったわけです。できればペットの首輪に名前と連絡先の明記を事前に必ずしておくことです。
集合住宅を途中からペット可とした場合、まずは規約・規則の制定が必要となります。そこには頭数や種類、また大きさや重量といろいろと列記する必要があります。またできれば、ペット委員会・ペットクラブ等を発足させて入居者同士がお互いのペットに目を届かせ、「マナー」や「しつけ」についても考え、飼い方を向上させることが望ましいでしょう。
地震が起きて現在の住まいにいられない場合は、飼い主とペットの同行避難が望ましくなります。ただ在宅避難の場合は人と同じく、食料備蓄をしておかなくてはなりません。最近ではペットのための備蓄食料の缶詰も市販されています。