次世代通信規格として注目される「5G」の登場により「マンションのWi-Fiサービスは不要になるのでは」との声も聞こえるが、どうなのだろうか。5Gによって実現されることの一つが「高速大容量通信」だ。これまで活用の難しかった高い周波数の電波を制御できるようになり、基地局間の電波の干渉を抑制する技術とともに、4Gの約10倍という通信速度を実現する。このほか「多数同時接続」と「高い信頼性・低遅延」により、通信の遅れが許されない自動運転や大量のセンサーからの情報を処理するIoT時代が現実のものとなるのだ。しかし、商用サービスが開始されたからといって、その恩恵を即座に受けられるわけではない。減衰が早いという高周波のデメリットや基地局の設置エリアにより、期待していた速度が出ないなどの状況はしばらく続くとみられる。一般的なスマートフォンの画面サイズであれば動画配信サービスも4Gで十分楽しめるため、日常生活においては必要に迫られた転換ではないのが、これまでの世代交代とは違うところだ。

マンションのISP各社では、5Gは「むしろ追い風」「驚異ではある」と捉え方は割れる。
だが、共通しているのは、在宅ワークやIoTによる家電操作などを含んだ「生活を豊かにするインフラ」としてのネット環境整備において、Wi-Fiは必要であり、かつ十分なものであるという意見だ。
通信の安定性やパケット通信料の節約につながると考えると、Wi-Fi環境をマンション内に構築するメリットは大きい。

※全国賃貸住宅新聞より引用