コロナ禍により自宅での調理機会が増える中、ますます注目度が高まっているキッチン。
各メーカーが注目しているのは衛生面とデザイン・レイアウト面である。
在宅率の高まりを受け、キッチン周りのトレンドにも変化が起きそうだ。

システムキッチン 単身向けで需要増

新型コロナウイルスの流行で在宅勤務の流れが進み、自宅で過ごす時間が増えた。
全国賃貸住宅新聞が2020年10月に発表した「人気設備ランキング」でもその影響が垣間見えた。
「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」でも、システムキッチンが上位にランクインし、特に単身者向けでは8位と、前回の12位からランクアップした。(表A)

衛生面に注目 タッチレス水栓

キッチンを選ぶ際に重要視されるポイントは、機能面とデザイン面に大きく分けられる。
LIXIL(リクシル:東京都江東区)の担当者は「蛇口に手を触れることなく使用できるタッチレス水栓の需要が高まっている」と機能面でのニーズの変化を話す。
コロナ禍により衛生面を気にする人が増え、需要に拍車がかかった格好だ。

デザインと配置 物件に合わせ選択

コロナ禍により使用頻度も高まり、キッチンに目がいくことも増えたため、周辺インテリアとの調和の重要度はさらに増す。
「単身世帯の賃貸物件でも対面式レイアウトを希望する顧客が増加傾向にある」とクリナップ(東京都荒川区)の担当者は話す。
造作壁とI型のキッチンを組み合わせて対面式にする例なども多くみられる。
対面式の場合、調理中でもリビングにいる子どもに目を配ることができ、在宅勤務の多いファミリー層への需要が特に高い。(図A)

キッチンは住宅設備の中でも高価格な部類に入るが、空室対策にも活用しやすい。
空室物件をモデルルームのような空間に演出するホームステージングの中心にキッチンを据えることで、差別化につなげるkもともできる。
コロナ禍により変化する需要をとらえ、それぞれの物件に合ったキッチンを導入することが肝要だ。

※全国賃貸住宅新聞より引用