【調査】「昨年より投資額を増やす」が過去最高

不動産投資市場は、新型コロナウイルスの感染収束後を見据えた投資拡大に動いているようだ。
CBREが2020年11月〜12月に実施した投資家意識調査によれば、自社の2021年の不動産投資額が「昨年より増加する」と回答した日本の投資家の割合は44%、1年前の前回調査から1ポイント増え、2016年に記録した過去最高値に並んだ。
海外投資家の日本への投資意欲も強い。
投資先ランキングにおいて、東京はアジア太平洋地域でトップを2年連続で獲得。
大阪も前回調査から3ランクアップして9位に浮上した。
日本の都市が最も魅力的と答えた海外投資家のうち、66%が2021年の投資額が「昨年より増加する」と回答。
前回調査の44%を大きく上回った。
日本の投資家に2021年の投資戦略を尋ねたところ、「コア」という回答が39%と最も多く、前回調査から10ポイント上昇した。
2021年の主な投資対象は、物流施設と答えた割合がオフィスと答えた割合を初めて上回った。

ターゲットリターンは、コア投資家の90%が「コロナ前と変わらない」と回答した。
コロナ禍の収束にかかる時間と影響が不透明で、売買市場では相変わらず投資機会が少ない。
「取引の利回りは総じて低位横ばいで推移するだろう」とCBREは分析している。
物流施設では投資家の16%が「取引価格は売り主の希望価格を上回る」と予想し、「下回る」と答えた7%より多かった。
物流施設の利回りは一段と低下する可能性がある。
このほか、現状でESG(環境・社会・企業統治)がポリシーを投資基準として採用する日本の投資家の割合は28%に限られ、アジア太平洋全体の49%と比べて大きく差が開いた。
一方、今後採用を予定もしくは検討する日本の投資家は半数を超える。
運用資産に対するESG投資の割合に関する今後の目標値も、アジア太平洋地域の投資家全体より高い。

【開発】宮古島にヒルトン、三菱地所と鹿島

三菱地所と鹿島は、沖縄県宮古島市にリゾートホテル、ヒルトン沖縄宮古島リゾートを建設する。
地上8階建て、延べ床面積2万8368㎡、客室数329の規模を予定。
屋内外にプールを設けるほか、フィットネスルームやスパ施設、200㎡超の宴会場やチャペルなども備える。
運営は米ヒルトンで、2023年初夏にオープンをめざす。
建設地は宮古空港から約7km、下地空港からは約13km、海沿いのトゥリバー地区と呼ばれる場所にある。
土地面積は5万3909㎡。
三菱地所はこの土地を2017年に取得。
2020年3月に、持分30%を鹿島に売却していた。
三菱地所と鹿島にとって、国内でビーチリゾートホテルを開発するのは今回が初めてとなる。

【売却】福岡・天神の店舗ビルを取得、FPG

FPGは2021年2月、福岡市中央区天神2丁目にある店舗ビル、TENJIN249を取得した。
売り主は東京建物だ。
FPGはビル名をFPG links TENJINに変更。
3月1日から不動産小口化商品として発売している。
このビルは西鉄天神大牟田線西鉄福岡(天神)駅から徒歩3分、商業集積地である天神エリアの一角に立っている。
国体道路(国道202号)の1本北側の通り沿いだ。
警固(けご)神社や警固公園から近い。
建物規模は地上8階建て、延べ床面積941㎡。
東京建物が開発を手がけ、2018年に竣工した。
1階〜2階は日本たばこ産業(JT)の加熱式たばこ、Ploom TECHの専門店であるPloom Shop天神店。
上層階には天神竹井皮膚科美容皮膚科クリニックサロン シーズ・ラボ天神などが入居し、満室稼働している。

※日経不動産マーケット情報より引用