全国賃貸住宅新聞が「入居者に人気の設備」をテーマに実施した調査で、2022年に入ってから部屋探しの顧客の希望が大幅に増えた設備のトップはインターネット無料、次いで高速インターネット(1Gbps以上)が挙がった。
在宅勤務が増え、インターネット設備への関心が高まっている。

高速回線にこだわり

全国賃貸住宅新聞は「賃貸住宅における人気設備アンケート」として、全国の不動産会社に調査を行い、355社から回答を得た。
そのなかで、「22年に入ってから部屋探し顧客の希望が大幅に増えた設備(複数回答)」について、441件の回答があり、最も件数が多かったのは「インターネット無料」で120件に上った。
要望増加の理由として「リモートワーク(在宅勤務)」を挙げた回答は53件あった。
リモートワークにより、ネット環境整備のニーズが高まっている。
ほかの理由には、「オンライン授業、動画視聴の普及」「オンラインゲーム、SNS、ユーチューブ、ネットショッピングの利用」などの回答があった。
続いて多かったのは「高速インターネット(1Gbps以上)」の98件。
リモートワークなど、ネット接続のシーンが増える中、回線速度や安定性への要望が高まっている。

非対面設備に需要

宅配ボックスも74件回答を集めた。
東京都内を中心に賃貸住宅を管理する会社は、単身者の宅配ボックスへの需要を感じている。
管理物件の入居者層は単身者が9割を占めている。
特に需要が多いのは20〜40歳代だ。
新型コロナウイルスのまん延を機に、対面で受け取りたくないという層からの需要の高まりを推測する。
新築で比較した場合「1,000円ほど高い家賃で決まる可能性がある」と話す。
宅配ボックスを設置するスペースがない場合、ポストを小型の荷物が入る深型のものに変更。
高まる需要に対応する。
コロナ禍で在宅時間が長期化する中、防犯面の配慮から、「TVモニタ0付きインターホン」も16件回答があった。
神奈川県内の賃貸仲介は「TVモニター付きインターホンはセキュリティ面の設備として、最低限あってほしい設備となってきている」と指摘する。
現在は、築10年以内の物件についてほぼ100%ついている。
女性を中心にセキュリティ意識の高い入居者は、オートロックやホームセキュリティとともに求める場合があるとする。
石川県の仲介会社は、学生を中心に、TVモニター付きインターホンの需要が高い。
「モニター付きインターホンは、学生の初めての1人暮らしではニーズが特に高い。保護者からの要望も根強い。特に大学の近くの物件にはモニター付きインターホンがついているものから入居が決まる」

※全国賃貸住宅新聞より引用