【開発】福岡中洲に1.6万㎡のオフィスビル、鹿島

鹿島は、福岡市博多区中洲中島で賃貸オフィスビルの建設に着手した。
地上14階建て、延べ床面積1万6124㎡、賃貸可能床面積約1万1200㎡(約3400坪)の規模で、2023年6月の完成をめざす。
建設地は地下鉄中洲川端駅から徒歩3分、天神駅から徒歩6分の昭和通り沿いだ。
ホテルオークラ福岡に近い。
土地面積は2068㎡で、鹿島は2020年6月にアサヒビールから取得した。
容積率600%と500%の商業地域に指定されている。
新たなオフィスビルは基準階床面積約1060㎡(約320坪)で、天井高2.8mの無柱空間を実現。
最小賃貸床面積は約102㎡(約31坪)とし、スタートアップ企業なども使いやすいようにする。
各フロアは共用のリフレッシュバルコニー、10階から上のフロアには専有バルコニー、屋上にはルーフトップガーデンとリフレッシュラウンジをそれぞれ設置する。
BCP(事業継続計画)対策として、72時間稼働する非常用発電機などを備える。
環境面では、Low-Eガラスや高効率空調機を導入するほか、明るさセンサーによる貸室照明の適正な照度設定などにより、ZEB Ready認証を取得した。
さらに、ビル利用者の健康・快適性を評価するCASBEE-ウェルネスオフィス認証のSランクも九州エリアの賃貸オフィスビルとして初めて取得した。

福岡エリアの住宅賃料調査(2021年第4四半期)

九州の中心都市として開発、成長が続くエリア。
コロナ禍において人口流入は止まらず、引き続き需要の底堅さがみられる。
25㎡帯においても唯一上昇が見られた。
しかしながら55㎡帯以上は従前の高いm上昇率の影響で下落に転じた。
分譲マンションに掛ける支出額が他の地域と比較してこれまで高くなかった。
そのため、同タイプの賃料があまりに上昇すると他の地域と同様には支出できる需要層が育っておらず、やや不安定性が見られる結果となった。

【調査】都心から郊外へ広がるフレキシブルオフィス

サテライトオフィスやコワーキングスペースといった名称で事業者が法人や個人事業主に提供するフレキシブルオフィスの市場が近年、急拡大している。
新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、企業のテレワーク実施率が上昇。
その受け皿は在宅勤務が中心だが、集中しづらい、自宅が狭いといった不満も多い。
従業員満足度と業務環境を両立する選択肢として、フレキシブルオフィスのニーズが高まっている。
過去3年にわたってフレキシブルオフィス市場を調査しているザイマックス不動産総合研究所によれば、2022年1月の今回調査時点で東京23区にフレキシブルオフィスを展開もしくは展開予定の事業者は108社あり、前年同月から4社増えた。
開業予定を含む拠点数も318カ所増の1080カ所、床面積も2万坪増の21万4000坪となっている。

さらに、フレキシブルオフィスは量的拡大にとどまらず、エリアの拡大やタイプの多様化といった質的な広がりも見られる。
例えば、2021年に東京23区で開業したフレキシブルオフィスの床面積のうち、都心5区以外が35%を占めた。
職住近接を実現できる郊外立地の需要があるからだ。
従業員の移動時の一時的な利用に適した駅やホテル、商業施設に個室型のスペースを設ける事例も増えてきた。
とはいえ、東京23区のフレキシブルオフィスの床面積は、オフィスストック全体の1.6%程度にとどまる。
同5%程度の英国などに比べると低水準で、今後の成長余地は大きい。
ザイマックス不動産総研は、ワーケーションや二拠点居住によって働き方が都心一極集中から分散化していくと、不動産の利用形態が変化し、その価値などに影響を与える可能性があると指摘する。
ザイマックス不動産総合研究所「フレキシブルオフィス市場調査2022」

※日経不動産マーケット情報より引用