【調査】コロナ影響下のオフィスNOI、3大都市で異なる傾向

新型コロナウイルスの感染拡大から1年半以上が経過し、不動産投資関連データがそろいつつある。
谷澤総合鑑定所はREIT保有物件のNOIがどのように変化したのかを分析。
アセットタイプだでけなく、エリア別でも異なる傾向を示していることを見出した。
例えば、オフィスビルのNOIは3大都市で異なる動きをしている。
2021年上半期に東京主要5区は下落に転じたが、名古屋はほぼ横ばい、大阪は上昇傾向にある。
このような差異が見られる要因の一つに、新規賃料の動向がエリアによって異なることがある。

東京はコロナ禍で空室率が上昇し、新規賃料が下落した。
これに対して、大阪の新規賃料は2020年の感染拡大後もわずかに上昇。
2021年に入ってやや下落したものの、2021年第3四半期時点でコロナ禍前と同水準を維持している。
名古屋の新規賃料も下落傾向は見られていない。
なお、オフィス 全体のNOIは2020年下半期までわずかに上昇を続け、2021年上半期から下落に転じた。
感染拡大直後に下落せず、1年ほど遅れて下落に転じた主な理由としては、継続賃料の遅行性が考えられる。
継続賃料は通常、契約の更新時期まで金額が維持されることもあって、空室率や新規賃料の変動に遅れて動く。
アセットタイプ別のNOIを見ると、賃料の変動率が小さいとされる賃貸住宅と物流施設はおおむね横ばいで推移。
これに対し、緊急事態宣言による外出自粛などで深刻な影響を受けたホテルのNOIは大きく下落し、2020年上半期に前期比-49%と半減した。

谷澤総合鑑定所「アナリストレポート『コロナ禍がインカムリターンに及ぼす影響〜J-REITデータを用いた用途別NOIの動向及び見通し〜』」

【開発】印西と福岡に物流施設、JA三井リース建物

JA三井リース建物(本社:中央区)は、千葉県印西市と福岡市東区で物流施設を開発する。
印西市の土地8419㎡は千葉ニュータウンの一角。
東京都新と成田空港へのアクセスが良好で、首都圏の広域配送にも対応可能な場所だ。
周辺には大型物流施設が点在する。
建物は地上4階建て、延べ床面積約1万7100㎡を見込む。
2022年9月の着工で、2023年9月に竣工予定だ。
福岡市東区の施設はJA三井リース建物とJA三井リース九州(本社:福岡市)が共同開発する。
九州自動車道の福岡ICと福岡市高速の多の津ICに近接しており、半径5km圏内に博多港、福岡空港、天神駅、博多駅がある場所だ。
建物は地上4階建て、延べ床面積約1万9300㎡の規模で、工期は2022年3月〜2023年3月を予定する。
シングルテナント、マルチテナントのどちらにも対応できるよう計画を進めている。
9300㎡の敷地は2021年12月に取得。
持分はJA三井リース建物が65%、JA三井リース九州が35%となっている。

【開発の概要】

開発名 印西市高花計画(仮称)
所在地 千葉県印西市高花
面積 土地8419.86㎡、延べ床約1万7100㎡
構造 S造
階数 地上4階
用途 物流施設
用途地域 準工業
溶液率 200%(法定)
事業主 JA三井リース建物
工期 2022年9月〜2023年9月
開発名 福岡市東区多の津計画(仮称)
所在地 福岡市東区多の津4-1708-1ほか(地番)
面積 土地9300.69㎡、延べ床約1万9300㎡
構造 S造
階数 地上4階
用途 物流施設
用途地域 準工業
溶液率 200%(法定)
事業主 JA三井リース建物、JA三井リース九州
工期 2022年3月〜2023年3月
日経不動産マーケット情報より引用