【売買】福岡郊外の大型SC、北山興産がブラックストーンから

不動産会社の北山興産(本社:福岡市)は2022年1月、福岡県久山町にある大型ショッピングセンター、TORIUS(トリアス)を取得した。
売り主は、米ブラックストーン・グループ関連と見られるアップル特定目的会社。
北山興産グループは、施設のマスターリース会社であるトリアスマネジメント(本社:福岡県久山町)の全株式を取得した。
TORIUSは、九州自動車道・福岡高速道路に福岡インターチェンジ(IC)から車で5分、県道35号を挟んで東西に広がる約21万7000㎡の敷地に立っている。
1999年に開業した。
低層施設35棟からなり、コストコホールセールの日本1号店や映画館、ショッピングセンターなど約110の専門店が営業している。
かつては米ラサールインベストメントマネージメントのSPCが所有していたが、2015年10月にシンガポールREITのクリサス・リテール・トラストが80億円弱で取得。
その後、ブラックストーンがクリサスを買収し、ポートフォリオの一つとして同施設も手中に収めていた。
北山興産グループは、福岡市内を中心に商業施設や賃貸マンション、太陽光発電所などを所有・運用している。
TORIUSについてはさらなる追加投資などを行なって中長期的に運用し、地域の活性化につなげていく方針だ。

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※2022年地価公示。価格は1㎡あたり

JR九州など、博多駅近くでオフィスビル工事着手

JR九州、福岡地所(福岡市)、麻生(福岡県飯塚市)は福岡県の福岡東総合庁舎(福岡市)跡地で、オフィスビルの工事着手・安全祈願祭を開いた。
同庁舎跡はJR博多駅筑紫口から徒歩3分の場所で、2024年3月の完成を予定する。
JR九州の青柳俊彦氏は報道陣の取材に対し「筑紫口は博多口と比べ少しにぎわいが足りない。筑紫口のシンボルタワーになる」と話した。
同ビルは地上12階地下1階建てで、1階が店舗、2〜3階が県税事務所、4〜12階が賃貸オフィスとなる。
オフィスの1フロアの面積は約1267㎡になる。
福岡市では再開発の進展でオフィスの大量供給が続き、供給過多との見方もある。
福岡地所の榎本一郎社長は、新型コロナウイルス禍でもオフィスビル「天神ビジネスセンター」のテナント誘致が順調だったことを挙げ、「世界・アジアで福岡の立地への評価は想像以上に高い。(新ビルは)天神に比べ福岡空港に近く好立地だ」と話した。

九州の宿泊稼働指数、3月2ケタ上昇 先行き楽観できず

九州経済調査協会(福岡市)が5日発表した九州7県の3月の宿泊稼働指数は、前月比16.2ポイント上昇の50.0だった。
新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が解除されたことなどで、3カ月ぶりに上昇した。
九経調の担当者は「県民割などで回復傾向は続くとみられるが、コロナ感染者は高止まりしており、大型連休に向けて楽観視はできない」と指摘した。
県別では大分が21.6ポイント上昇の68.4だった。
2月中に重点措置が解除されたことなどで、九経調は「感染の第6波の緩和とともに、福岡県からの観光客流入が増えた可能性がある」とした。
福岡は38.7と13.4ポイント上昇したが、7県で唯一、指数が40を下回った。
観光客が流入した他県と比べ、出張などビジネス需要の回復が遅れていることが影響した。
沖縄県は17.5ポイント上昇の40.6だった。
全国平均は12.2ポイント上昇の45.3と2カ月連続上昇し、全都道府県が前月を上回った。
3月は季節的に需要が戻る時期ということもあり、比較的大きな改善幅となったようだ。
※日経不動産マーケット情報より引用