新型コロナウイルスの流行により世界中が大打撃を被った2020年。
もちろん賃貸市場も例外ではなかったが、ホテル、商業、オフィスなどと比較するとその影響は大きくなかった。
入居率は賃貸系リートの実績ベースで1%悪化した程度。
都心や中心部では依然高い入居率を保っている。
月別での賃貸ユーザーの動きを見てみると、緊急事態宣言が発令された4月から6月は転居を様子見、企業も転勤先送りだったが6月以降は復調傾向となった。
要因としては、テレワークの実施率の急増により、賃貸に求めるものが大きく変化したことが挙げられる。

これまでの賃貸住宅は、広さや駅距離の条件を満たしていれば高い入居率を得られたが、自宅にいる時間や仕事をする時間が増えた影響で、狭さや遮音、断熱、通信環境を改善する転居が増え、今もなお進行している。
快適性能、快適通信環境、大都市圏はワークスペースの提案の必要性が高まった1年。
コロナ感染者増加による経済停滞の延長、入居者のボーナス減による節約志向、決算が悪かった企業の土地や建物放出、オフィス解約による不動産価格の下落圧力は、来年年明けから表面化する可能性がある。
新しいニーズに合わせた賃貸住宅の整備をいち早く行い、入居者確保は先手先手が吉と考える。

※全国賃貸住宅新聞より引用