新型コロナウイルスの影響により、学生寮や学生マンションの運営会社の集客のデジタル化が加速している。
例年は集客をメーンとなっている大学主催の住まいに関する相談会などのリアルイベントが中止されたため、各社はデジタル技術を活用した集客に注力する。
コロナ禍で変化した学生寮・マンション運営会社の事業を紹介する。

コロナ禍で留学生の需要はほぼなくなったものの、日本人学生の大学進学率は過去最高水準を維持した。
経済的な理由で進学を断念する学生が大幅に増加せず、コロナ禍当初、オンライン授業の導入で懸念された解約も一部にとどまったため、学生寮や学生マンションを運営する大手の業績へのコロナの影響は軽微だったという声が上がった。
しかし、例年は集客がメーンとなっている大学主催の下宿相談会などのリアルイベントが中止されたため、各社はデジタル集客に移行している。

学生の収入3.7%減で生活費も抑制

文部科学省が実施した「学校基準調査」によると、20年の大学進学率は19年から0.7ポイント上昇し、54.4%で過去最高を更新した。
コロナの感染拡大による影響はあったものの、大学に進学する学生数は57万8000人とほぼ横ばいで推移。
コロナ禍によって進学を断念する学生が大幅に増加するほどの影響はなかった。
しかし、経済的な影響がまったくなかったわけではない。
独立行政法人日本学生支援機構(神奈川県横浜市)が実施した20年の「学生生活調査」では学生の収入は3.7%減少し、平均年収は192万7600円となった。
アルバイトによる収入が8.7%、家庭からの給付が4.3%減少したことが要因で、収入の減少に応じて生活費も5.3%減少した。

※全国賃貸住宅新聞より引用