避難所での生活における注意点

大きな地震が起き、家が壊れるなど自宅にとどまれない状況になったら、身の安全を確保した上で避難所に行くことになります。非常事態のときどんなことに気を付けたらいいのでしょうか。また、避難する前にやることはあるのでしょうか。被災者の多くは避難所で朝食を取った後、罹災(りさい)証明書や仮設住宅の手続き、自宅の片付けなど生活再建の作業に向かう方が大半です。例えば酷暑であった場合、浸水した地区で乾燥した汚泥の粉じんが大量に舞う中、作業に追われ、夕刻、避難所へ疲れ果てて帰ってきます。また、雨や雪が降っていた場合は体温が奪われてしまいます。本来家とは体を休めに帰ってくる休息の場所でなければなりません。避難所が休息の場所であるのが本来の姿なのですが、まだ日本はそこには至っていない現状です。
地震後に家から避難をする際の注意点について、出火の原因がないか確認、ブレーカーを落とす、ガスの元栓を閉める、家の外に、避難先、自身や家族の安否を書いたメモを貼っておく、災害伝言板やSNSで避難していることなどを書き込む、避難所までの道では、落下物に気を付け、ひび割れたビルは危険なので近づかないなどとなります。
次に、避難所に持っていくべきものを挙げておきます。飲食料品として飲料水、給水車から水をもらうためのポリタンク、レトルト食品、アルファ米、缶詰、菓子類。生活用品として歯ブラシ、除菌ウェットティッシュ、懐中電灯、毛布。情報確認手段として携帯電話充電器、手回し充電式などのラジオ。女性向けは生理用品。乳幼児向けはスティックタイプの粉ミルク、哺乳瓶、紙おむつ、お尻拭き。高齢者向けはおかゆなど軟らかい食品、常備薬、処方箋、薬手帳となります。これらをリュックに入れて分けて背負えるようにして備蓄しておくとよいです。
団体生活が主となる避難所での生活における注意点を挙げておきます。避難所では居住環境、空調・換気についてまず確認します。避難所の温度管理は一般的に困難なものです。暑いときは換気をできるだけ行い、居住スペースをなるべく日陰にして日差しを遮るようにします。特に乳幼児や高齢者は脱水症状になりやすく、そのため熱中症にもなりやすいので、水分補給は重要となります。
寝具等の清潔保持も重要です。室内は土足禁止とし布団を敷くところと通路を分けるようにします。入室時には服の埃(ほこり)を払うようにしましょう。避難所生活が長引くにつれ、敷きっぱなしの毛布など寝具が汚れ、湿気を含み、梅雨時や雨天時にはダニなどが発生しやすくなります。日中は布団を敷いたままにせず、晴れた日は日光干しや通風乾燥を行うようにします。
まだまだ注意点は多々ありますが、いずれにしろ団体生活のルールがあり、非常時であり命と生活を守る大前提の中、最低限のプライバシーは守りたいものです。