
シェアハウスの入居者ニーズに変化が起きている。アパート・マンションの賃料高騰が続く中で、比較的賃料を抑制できるシェアハウスで法人契約の比率が高まったといった声が上がる。これまで少なかった40代以上の反響も増えている。
2割が社宅利用 平均年齢は3歳増
関東圏を中心に約200棟5000室を運営するシェアハウス大手のオークハウスでは、法人契約の比率が高まっている。
担当者は「当社運営物件において法人需要は以前から存在していたものの、契約割合は年々増加傾向にある。7月中旬時点では、運営物件全体の2割超を占めるまでになった」と話す。
一般の賃貸住宅の家賃高騰を背景に、社宅規定内の賃料で物件を確保することが難航しつつある。
そのため、賃料を抑えられるシェアハウスに注目が集まっているという。
「複数の社員を同一物件で契約できるシェアハウスは、契約手続きを担当する企業側の負担軽減にもなる。メリットを感じる企業は多いのでは」
加えて、2024年以降の2年間で入居者の平均年齢が上がっているという。
「運営物件の入居者の平均年齢は例年29〜30歳代で推移しているが、ここ2年間で約3歳上がっている。大きな変化だ」と担当者は話す。
物価上昇に伴う経済的な不安から、生活コストを抑えようとする層がシェアハウスに流入したことで、年齢幅が広がったのではないかと同社はみる。
同じく入居者の年齢に変化が起きていると話すのは、関東圏の郊外エリアを中心に90棟600室のシェアハウス運営を行うHidamariだ。
担当者は「40代以降の入居問い合わせが、23〜25年度にかけて約2倍に急増した。
物価高により1人暮らしの維持が困難になった層が、シェアハウスを選択していると考えられる」と語る。
厚生労働省が毎月公表している可処分所得と実質賃金指数の乖離(かいり)によって購買層の増減を測るデータでも、22年以降から購買力は低下傾向にある。
「当社運営物件への反響数増加の時期と通じている」


関東圏で家賃値上げ 3000円増も高稼働
運営コストの増加や需要の高まりに伴い、シェアハウスにおいても家賃改定の動きが出ている。
愛知県名古屋市や1都3県を中心に、全国で46棟1046室のシェアハウスを運営するシェア180の担当者はこう語る。
「関東圏にある運営物件の66%で、5〜10%の戦略的な賃料引き上げを実施した。
例えば東京都板橋区の物件では、入居者入れ替えのタイミングで家賃を平均3333円あげているが、高稼働を維持できている」。
家賃を新型コロナウイルス禍前の水準に戻すとともに、同社運営物件内での家賃差によるニーズの偏りを防ぐ狙いがあるとした。
同社の運営物件においては、初期費用を抑えたい1人暮らし層や家具・家電付き物件を求める外国人からのシェアハウス需要が堅調だ。
初期費用の抑制や低廉賃料を求める動きが出る中、シェアハウスの需要が、法人や高い年齢層まで広がりを見せつつある。



